2018年07月24日

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(879話)

『70秒の審判』





「あぁぁぁ、何やってんだ桜木??!」


「せっかくの流川のナイスパスを」


「いや、宮益を意識し過ぎたんだーーー」





宮益、ニヤリッ



桜木はこのクォーター、幾度もミドルのジャンプシュートを外す事となる



桜木軍団「あぁぁぁ、花道のジャンプシュートが決まらないーーーー!!!!」


「雛鳥がぁぁぁぁーーーー」



ボックスだが桜木サイドには、いつも宮益がいる



彦一「流川君には安倍君、桜木さんには宮益君、、、変則的なトライアングル・ツー・ディフェンスとも言えるで」



桜木vs宮益、身長差は言わずもがな、身体能力には圧倒的な差がある





しかし宮益は桜木にはタイトとは程遠い、ほぼ無気力なディフェンスを繰り返す





桜木は何故かそれにハマっている!!!


チラッ



チラッ



ガコンッ



桜木頭を抱え「あーーー、また外れた」



そして桜木「テメーーーーまともにディフェンスやってこい」



宮益「うるさい、決められるもんなら決めてみろ」



桜木、ムカッ!!!!



ガコッ









流川「ちっ、相変わらずうまい…………」





流川、高頭を見る





高頭、扇子を扇いでいる、パタパタ





流川「そして、相変わらず扇子が目障りだぜ、ジジィ…」







しかしその海南も、清田に天崎が付きだしてからは、あまりリズムの良い攻撃は生まれない





お互い"重い時間"が続く







湘北ベンチ


桑田「くそぅ、せっかく海南の攻撃は止めれているのに………」



石井「桜木がどんどんと萎縮して、他にも伝染してシュートが入らない」



佐々岡「何かこの状況を打破する手はないのか!!!?」




お互いフリースローや単発のシュートが入ったものの、約4分の間5点ずつしか決まらず、なお湘北に至っては第2クォーター自体の得点がその5点のみ



第2クォーター残り2分48秒


湘北24
海南36



観客「あの圧倒的な攻撃力の湘北が、第2クォーター7分で5点しか取れてないぜ汗」



「湘北に12点差、海南にしたら万々歳だな」



「桜木を抑えているのが大きい!!!」







そして流川へも



『ピィィィィーーーー!!!!白(海南)#4番・ファール!!!』



流川「にゃろう………」




流川が徐々に安倍のディフェンスを攻略していくが、ヘルプの清田が直ぐ様ファウルで自由を与えない



「ナイス・キャプテン!!!」



「ナイスファウル!!!」





安倍は「すまない」と謝るが



清田「いや、これでいい、流川にも赤毛猿にも好き勝手させない、そしてここからは、、、」





海南は、嶋・一ノ瀬を休ませ里崎と控えの#12.小林を投入



弥生「一旦スモールラインナップは終了ね、スタメンに休みを取らせ、このまま第2クォーターを終わらす作戦のようね、、、というよりまさか???」



記者・中村「何か???」



弥生、考え込む「・・・・」








相変わらず試合は重い















いや





実はこれは、海南が敢えてそういう試合展開を意図して作ったものだった




閉塞感ーーーー



停滞する試合内容





「それでいい」




海南はこのクォーター途中より、攻撃時はパス回しなど時間をなるべく使い、守備でも宮益の無気力な桜木対策に始まり、相手に勢いを与えないよう要所でファウルを繰り返す



12点差のアドバンテージを後半に残すため



そんな画を描いていた









しかし観客は

















Booーーー!!!!!


試合内容に怒りブーイングをし出す



「おい、さっきみたいに面白い試合やれよーーーー」



「海南!!!何休んでるんだよ!!?もっと攻め気で行けよーーー!!!」



「ファウルばっかすんなーーー」



ブーブー、ブーブー








高頭と清田は堪える





















さて、よく議論された昨年度のインターハイ神奈川予選・海南VS陵南



海南はその試合、負けたとしても得失点差の関係でインターハイに出場出来る可能性があった



しかし、彼らが選んだのは『(全勝)優勝で全国へ』、よって『その試合も(逆転)勝ちを狙う』、それが『王者・海南』たる所以であった



結果、海南はこの試合ラスト70秒で、リスクのあるオールコートディフェンスなどを仕掛け、それが天才・仙道に突破され、点差を逆に開ける事となってしまう



そして、そのまま陵南に敗れるだけではなく、海南は17年続いていたインターハイ出場を逃す事となる








この選択は後に「The judgment of 70 seconds」として、各方面で議論が起きた







"あれで良かったのか"




そして

「もし海南が2位での出場を選択していたら?」


「王者の戦い方とは何なのか???」


「全国に行けなきゃ元も子もない」



などの声が、、、







神には、インターハイ連続出場を途切れさせたキャプテンとして不名誉なレッテルが貼られ



清田や里崎、一ノ瀬とあの時コートにいたメンバーはこの一年間、高校生には非常に重たい十字架を背負う事となっていた





結果的に冬も含め、神にチャンピオンベルトと全国行きを与えられなかった清田たち後輩の後悔の念は、強まるばかりとなった






そう、本人たちが一番考えた






一年間"探し続けた"







だが

















""答えは見つからなかった""







更に今年は既に全国行きを決めている


今現在も12点差で勝っている展開



何もかも状況が違い、この湘北戦で、戦い方や方向性を変えても、全ての呪縛から解放されるわけではない










それでも人は常に選び続けなくてはいけない





そして海南は、











""勝つ事""





を、"もう一度"選んだ



上記の通りあの試合とは状況は全く違う





今度は卑劣、狡猾、つまらない、スポーツマンらしくない、などの声と戦わなくてはならないかも知れない










しかし







"常勝"の横断幕が目に入る


清田(牧さんと神さんが教えてくれた)









高頭「勝てば官軍………」



清田「どんな試合内容でもいい………海南は勝たなくてはいけない!!!だから湘北に勝つ!!!」自分に言い聞かせる




そんな海南の想いが強く残るまま前半が終了する






弥生「まるで去年の答え合わせをしているようだわ、流川君には徹底的にファウル、桜木君へも弱味をつく、そしてロースコアでの12点差、体力面などでスタメンの温存、後半の逃げ切りも意識して海南はあくまで勝ちに拘った試合をしている」



記者・中村「なるほど、、、何か去年のがフラグだったのか、今日の結果次第では持ち越しなのかと、色々考えさせられる試合内容ですね…………」








彦一「ワイはこれこそ王者の戦い方や思うで………」



俺は、私は、僕は、、、


会場のあちこちで意見が飛び交う



そして全体がどんよりとした雰囲気で



『ビィィィィーーーー、第2クォーター終了』



湘北29
海南41



海南メンバーはハイタッチで迎えられた



続く

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この記事へのコメント
何かテイストも違い哲学的になりました、尚自分の観にいったポーランド戦ともかけちゃいました~ちょっと違った世界観をよろしくお願いいたしますm(._.)m
Posted by 赤木夏紀赤木夏紀 at 2018年07月24日 01:19
いつも面白い作品をありがとうございます。ロシアW杯行かれてたんですもんね
そしてKの部屋の伏線というかあの試合に目をつけるあたり凄いなあと思いました
引き続き面白い作品をよろしくお願いします。
Posted by リョータ愛 at 2018年07月24日 05:47
更新ありがとうございます

去年神がキャプテンを務めた時は無冠で終えるという、それを勝ちに行くために考えさせられることがこの作品を見て色々とあります。

さて、前半終了で12点差ついてしまいましたが、花道が何か攻略法を見つけてくれるはず。

頑張れ湘北(^^)
Posted by ミッチー at 2018年07月24日 20:34
確かにこれは、新たな角度から書いていて面白いですね
私もKの部屋の試合でいくつか疑問の残る試合もありましたので、あの試合をピックアップしてくれて楽しかったです
Posted by 明 at 2018年07月24日 22:57
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