2018年10月14日

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(895話)

『2勝3敗? 1勝4敗?』





Xデーがやってきた



桑田「2勝3敗か…………」



石井「何が???」



佐々岡がアレアレと指を指す




湘北高校職員室前



そこには、流川・桜木・天崎の三人が並んでいた


しーーーん


毎年恒例、赤点過多でインターハイに行くことができない男たちが頭を下げる、あの見るも情けないイベントが始まる所だった





だが


石井「あっ?!!」 気づく



桑田「そうだよ、うちのスタメンの勝率、、、」



佐々岡「追試組はこの三人、、、今まではスタメンは四人、今年は三人、これは過去最高の勝率なんだ!!!」




石井「荒石は去年で学力はお墨付、確か学年7位」



桑田「須形はよほど、優秀と聞く…………」






そして案の定、ドーーーーーーーン!!!!!!



『須形拓弥・学年3位』



湘北バスケ部員、震撼!!!!!


「おおおぉぉーーーーーー」



「須形、スゲーーーーー!!!!!」


「バスケも勉強も優秀!!!!!」



桜木・天崎「マジかよ………」


流川、しーーーん




3年生の喜びもひとしお



桑田「遂に、この時が」



石井「2勝3敗!!!見事な成績だーーー!!!」



佐々岡「何か感慨深いな」



希望に満ちた(いや、少しズレている)三人とは別に







流川・桜木「ちぃ!!!!」プイッ




天崎は「たまたまっすよ、たまたま、今回は運が悪かっただけっす」







桜木は赤点8つ「背番号に合わせたまでよ」






流川は7つ、飛躍的に英語の点数だけあがっている「What one likes, one will do well.」


桜木「ルカワのヤロー、この天才より一つ少ない」グギギギギ






天崎は4つ「俺は去年の成績をキープしてますからね!!!」


桜木「たったの4つ、、、、こいつやはりできる!!!」







佐々岡「あぁ、余計な事言ってないで誰かツッコんであげてくれーーーー」



晴子も「あぁ、彩子さんのハリセンがあれば」


桑田「副キャプテンのオレが仕切らなければいけないんだが、、、」(ちょっとムリだ)


石井「あっ、けどこんな時、スタメンであり成績優秀、いつも彼らと対等に振る舞えるのは」





バスケ部全員



『荒石しかいない!!!!!!!!』










しかし、その荒石の姿が見当たらない



桑田「おかしいな…………荒石からしたらこんなの格好の餌なのにな」



石井「普段こんな時は真っ先に皆をからかいに来るのになぁ…………」



佐々岡「あっ!!!いた!!!!」






荒石の姿を見つける








しかし荒石、物陰に隠れオドオド、淀んだ空気、重い足取り








石井、声をかける「ん?荒石??どうした???浮かない顔して」



佐々岡「早く桜木たちをからかいに、いや誘導してあげてくれよ」



桑田「ほらっ」と手を引っ張ろうとしたその時





荒石が一言「シャ……シャレにならん……………」





桑田「何が???」





そして、荒石は返ってきた答案用紙を見つめ、震えている、プルプルプルプル





石井「ん?」と覗き





そして一同「あっ!!!!?」









そこには


30点


29点


25点


28点






と、湘北高校基準の赤点の点数がズラリ!!!!










そう!!!!!!!!



昨年学年7位の成績を収めていた荒石は





一年間で





急激に





成績が





落ちたぁぁぁぁ!!!!!!








荒石、ズッコーーーーン!!!!!!










その様子を直ぐ様嗅ぎ付け桜木、天崎「わはははははは!!!!!!ザマーミロー!!!!!」大爆笑



流川は少し頼っていたので無言








荒石顔面蒼白「バ、バスケやり過ぎた…………」



石井「まぁ確かに、、、」



安西も参加「フムッ困ったものですね…………」












そして桑田「ああぁぁ、今年も1勝4敗だぁぁぁ!!!!!!!」嘆く












成績優秀・須形も登場、心配しているが「先輩たち、大丈夫ですか………???」





流川・桜木・天崎、そして荒石が、須形に僻む「グソゥ、一年坊が、、、」



須形「えっ????」










晴子「じゃあ、桑田君、須形君、一緒に行きましょう!!!!!」



その3人が引率










桜木「いざ、出陣!!!!!!!!」




ガラガラガラガラ、扉を開け




小池、ニヤリッ「例外どもが」









だが、全員で


「お願いします!!!!!!!」






晴子の赤木の妹というコネや、副キャプテン桑田の謙虚な姿勢、須形の成績への温情などから




流川・桜木・天崎・荒石、追試決定!!!!





晴子「ふぅぅー、やれやれ、でも今年はこれもあるし」と『赤木式メソッド』を取り出す



続く  

2018年10月14日

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(894話)

『赤木式メソッド』





深沢体育大学バスケットボール部



既に2年生でスタメンの座を奪い取った史上最強の三銃士・牧、諸星、河田が週間バスケットボールを手に取り、高校バスケへ各々の見解を述べている



河田「今年はそれぞれ母校が出場だな」



牧「ああ、だがお前ほどオレらは手放しでは喜べないぞ」



諸星「ああ、山王は相変わらずぶっちぎりで秋田を制覇したみたいだが、オレら(の母校)は二位通過、愛知に関しては、名朋に圧倒的な差をつけられての屈辱的な出場だからな、何か複雑だよ」



牧「年下をこんな呼び方するのも変だが、この表紙の通り名朋には怪物がいるしな!!?」



河田「森重寛か………一度対戦した時はまだ荒削りだったが、今やったらオレもヤバいかもな、それだけのポテンシャルがヤツにはあった」





諸星「オレも嫌な思い出がある…………」冷や汗



牧「オレもだ、アイツに最後の夏は優勝を持っていかれたからな………」







そこへ、監督の唐沢が


「お前らに、ここまで言わせるとは、、、森重寛か………こいつの進路はもう決まってるのか??どうだ河田、ウチに来てもらうか???」







同ポジションの河田、少し考えて



「別に構いませんけど………」



牧・諸星(おおーー、強気だ!!!)



唐沢「フッ、冗談だ、河田、うちは(スカウトは)お前の弟狙いで行くぞ…………」



河田も苦笑いで「それはそれで苦労しますよ、監督………」





王者ながらの余裕にも聞こえる会話が続く










一方、青葉学院大学バスケットボール部



ザシュ、ザシュ、ザシュ



藤真「やっぱりスリーポイントは、お前には敵わないよ」





「神!!!!!」




そこには鳴り物入りで青葉に入った元・海南大附属キャプテンの神がいた



神「ありがとうございます」




藤真が続ける「神、海南インターハイ出場おめでとう、って翔陽が出れなかったりオレも色々複雑なんだけどな………」



神「うちもです、去年の事もあります、、、信長はよく頑張りましたが、やはり湘北に勝てなかった、流川と桜木がまた成長しているのかと思うとゾッとしますね」



藤真「湘北、、、流川と桜木か…………」もの思いにふける



神も「・・・・」遠くを見つめる




藤真と神、二人はここから二年後、大学優勝という大きな栄冠を掴む事になるが、しかしこの二人には、高校時代に共通の挫折があった





それは、ともに流川と桜木という自分より若い才能に敗北を喫し、高校最後の年に、母校を全国に導けなかったという事実






お互い、苦い思い出である










しかし、この挫折を経験していなければ、彼らはその後の大学での栄光を、勝ち取る事が出来なかったのかもしれない






そして二人は、残り何百本とあるスリーポイントの練習に戻る



家村という選手も負けじと練習を繰り返す



既にチーム内でサバイバルが始まっている





その様子を見ていた青葉学院の監督・陸川は


(藤真、家村、そして神、バックコートはこの三人を中心にチーム作りをしていくか………問題はセンターだな)



手にある週間バスケットボールを見つめる










続いては、昨年大学二部で旋風を巻き起こし、晴れて今年度より一部に昇格した明利大学



「3年連続インターハイ、そして今年は優勝、さすがだな」


こちらも週刊バスケットボールを片手に、赤木の横に座る花形


シューズの紐を結んでいる赤木の横に現れた





だが赤木「フン!!まだ県を突破したに過ぎんわ」






そして

「そのとおーーーーーり!!!!」




赤木「ん???」





宮城だった「その通りだ、ダンナ、アイツらは去年このNo.1ガードの宮城様抜きで県を突破している、ここまでは当然の出来…………」





赤木、呆れ顔で「その通りだ!!!誰がNo.1ガードかは別に、あと"様"もおかしいが、まだまだ全国制覇への道のりは長く険しい!!!」




花形「ふっ、厳しい先輩たちだな」





宮城、No.1ガードなどを否定され「ムッ」とし、反撃の糸口を見出だす


「はっ!!?去年は夏は全国ベスト8、冬は3位、、、この宮城キャプテンの体制の下、湘北は歴代最高の成績を残した…………」



赤木「ぬっ???」







宮城「あいつらに残された道はただひとつ、全国制覇のみ!!!!!」会話のイニシアチブを握る







赤木「くっ…………」湘北の成績の事を言われ、一気に分が悪くなる



花形(確か赤木の時の湘北はベスト16だったかな………?)







そこへ、遅れて木暮が登場



「ちゅーす」


「ちゅーす」




木暮、開口一番「けど今年もあの問題があるぞ…………」


赤木・宮城、ぴくぅ!!!!!





花形「ん?何だ?木暮、去年も同じような事言ってなかったか」





宮城はピンと背筋が凍りつく「まさか???」(あれの事なのか???)







赤木は!!!?





ここぞとばかりに反撃「そうだーーーーー!!!うちにはこれがあるんだ(意味不明)!!!!!""今年も""キャプテンが指導出来んヤワな体制だ!!!!ガハハハハハ」(ゴリよ、何故笑う?!!!)





しかし宮城、ズッコーーーーン「やっぱりねーーーー」





湘北高校教室、皆さんお気づきの、まさに期末テスト中の流川「はっ」ピクッ!!!!!









少し全体が落ち着き、、、





赤木「だが木暮、安心しろ、今年は既に手は打ってある!!!!!」





木暮「ん?何???」



そそくさと、その場を立ちさそうとしていた宮城も振り返る「????」(何だ????)






赤木「それはと…………」











赤木、バッグをゴソゴソっと漁り









大量の冊子を取り出す





赤木、ドーーーーン「これだ!!!!!」





そしてその一枚目(表紙)には!!!!!



『湘北高校追試必勝策・赤木式メソッド』と書かれていて








赤木、誇らしげに「既に、この完璧な問題集を晴子に送りこんである、これで全国制覇だ!!!!!」







宮城、ふてくされた顔で「""これで全国制覇だ""は絶対おかしいけどな」ボソッ



花形(全国制覇?何かバスケの資料か???)





木暮は微笑む「フッ」(赤木は、やっぱ何だかんだで後輩思いなんだよな)



宮城、一応中をパラパラと確認、だが「全くわからん…………」









しかし






木暮、ボソッ「けど、これ追試になるのが前提なんだなーーーー」





赤木、固まる「はっ???」(しまったーーーーーー)





宮城・流川(遠隔で)「どあほう………」(しかし語気は弱め)








赤木「と、とにかく、全国制覇で安西先生をオレたちOBも胴上げだ!!!!!」



木暮・宮城「おう!!!!」



「そして、明利もリーグ戦とインカレで優勝だ!!!!!」




木暮・宮城・花形「おう!!!!!」





かなり無理やり感はあったものの、湘北OBが後輩を想う空









湘北高校職員室前ーーーー



流川が眠たい目を擦りながら





桜木「いざ決戦へ」



続く