2018年04月28日

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(869話)

『KATTE KABUTONO OWOSHIMEYO』





湘北高校校舎からは垂れ幕『祝・湘北高校バスケットボール部 インターハイ出場』



早々に学校側が取り着けたものだった



校内には記者の姿がチラホラ、校長や役員は鼻高々



一般の生徒たちも「スッゲー、バスケ部!!またインターハイに行くんだぜ?!」


「不良の桜木が決勝点を決めたらしいぞ?!!」


「しかも今回はあと1試合残しての出場、湘北史上最速だとよ?!!」



祝勝ムード



しかしそんな学校の和やかなムードとは一転、体育館だけは緊張感に包まれていた



天崎や荒石、須形のスタメン組でさえ厳しい表情



他プレイヤー・全体にも張り詰めた空気





そしてこの二人に関しては更に鬼気迫るものも



ドカァァァァァ!!!!




流川と桜木がルーズボール!!!!





二人とも転げ



ハアハアハアハア


目が合い


「テメーのファウルだ」「いや、オメーだ」「オメーだ」「だからテメーだって」


プイッ!!!


二人とも立ち上がりコートに戻る



その様子を見た晴子「流川君…………桜木君…………」



涙がこぼれる



そして、すぐ拭い



晴子(こんな事じゃダメ、マネージャーの私も、もっともっとしっかりしないと………)









弥生「湘北高校か…………」


取材に来ていた弥生、先日の湘北VS陵南の試合のラストを振り返る










~~~~回想シーン~~~~




ラスト9秒で放った外川のロングスリーがリングをくぐる



陵南が奇跡の追い上げで、ラスト1分半で10点(第4クォーター始めには17点)あった点差を追いついた



残り時間は6秒



陵南ベンチは爆発



会場も今日一の歓声





しかし、この二人は違った



高校1年時、陵南との練習試合、残り数秒で自身の人生初得点のレイアップが決まり一旦は逆転するが、直後仙道のダブルクラッチにより再逆転を許し敗戦を喫した



その夏のインターハイ予選「戻れ‼センドーが狙ってくるぞ‼」桜木は素人なりに教訓を得ていた



更には彼らは、その本大会の山王戦など幾つもの死闘の末、試合終盤の"数秒"の大切さを"熟知"していた











そして、今回は




流川、須形にボールを要求「くれっ!!!」



須形は慌ててパス



受け取った流川が、目指した先はただ一つ




シュッ




流川、前線の桜木に真っ直ぐパス



桜木は高松が残っていたゴール下に突進




桜木は、ダンクを狙う!!!!!






が、陵南一の高さとパワーを誇る高松もブロックに跳ぶ



「うぉぉぉぉぉぉーーーーー」





接触!!!!!ガシィ!!!!


「????」



審判、ボールに触れたかに見え、その微妙な接触に笛を鳴らさなかった



高松のブロックも強烈、桜木の体勢が崩れる



しかし桜木は、自然と腕を一回転させる





そしてボールをその回転に沿うよう放っていた




ひょい




桜木としては初めてと言えるダブルクラッチ(のようなもの)



電光掲示板の時計は、この時0を刻む『ビィィィィィーーーーー』






そしてボールはふわっと綺麗な弧を描き















ゴールに吸い込まれた










審判、今度は大きくジェスチャー



それは、湘北に(2)得点が刻まれたものだった



ブザービーター




湘北82
陵南80








『ピィィィィーーーー試合終了!!!!!』





桜木にとっては、そのプレイも試合展開も含め、1年時のリベンジともなる結果だった














そして



ワァァァァァァーーーー



湘北ベンチ全員が飛び出す!!!!





「全国だぁーーーーーーーーーー!!!!!!」



天崎・荒石・須形に、次々に抱擁



応援席も万歳、狂喜乱舞、既に『凱旋行進曲』などを大合唱




会場は


ワーーー ワーーー

「桜木が決めたーーーーーー!!!!!!」



「ダブルクラッチ!!!!!」



「あれでダブルクラッチて言うのか??!!」



「知らん!!!」



「とにかく、、、」



「湘北インターハイ出場だぁぁぁ!!!」



ワァァァァァァーーーー






















そして今度は、陵南が呆然



後に崩れる



彦一、号泣「うぉぉぉぉ、何でや何でやーーー、最後のワンプレーで」



弥生も止まらない「ひ、彦一、、、ヒグッ」




菅平もベンチでむせび泣く



高松はそのままゴール下で



宮野も



高橋も




そして外川は天を仰ぎ、その後、涙が一粒「終わったーーーーーー」



仙道も引き上げる(彦一、晴樹、まだまだ先は長い、次頑張れよ…………)






挨拶


『82対80でーーーー』


『湘北の勝ち!!!!!』




「あ(りがとうごさいま)したっ!!!!!」






パチパチパチパチパチパチパチパチ



永遠に鳴りやまない拍手






2年生は健闘を讃え合う



荒石は高松に「また次だ」「おう」お互い涙


高橋は天崎に「強かったぜ、Sランクがよ………次、海南戦、そして全国も頑張れよ」「おうよ」ガシッ



須形も宮野に「ありがとうございました、またマッチアップお願いします」

宮野「チッ、ご丁寧によ、お前のほうがよっぽど上手えよ、、、あとんす」握手、ペコリッ、ペコリッ




外川も足を引きずりながら彼らに近寄り「流川、桜木、、、最高に楽しかったよ、ありがとう」


二人と握手、ガシッ、ガシッ



次は泣き崩れている彦一の下に、流川と桜木も声を掛けにいく



桜木「彦一、陵南は強かったぞ」



流川、コクリッ



握手


彦一、手を握りながら何度も頭を下げる「ありがとうやで、ホンマありがとうやで、グスッ」





しかし、流川・桜木の二人はこの挨拶が終わると、足早にコートを、しかも別々の方向に去っていった



お互いにその表情は厳しかった



晴子も喜びの傍らその様子に気づく「流川君、桜木君………」




安西も田岡との握手後、静かにコートを後にする



田岡は取材に応じる「選手は最高のプレイをした、敗因は流川君・桜木君との"経験の差"」



弥生・中村(なるほど!!?)







桜木は一人ロッカールームとは真逆、会場の廊下を隅へと歩いていく



晴子は桜木を追う


トットットットッ



桜木、人気もなくいいポイントを見つけたのか、急に壁に頭突きをしそうになる


「ふんぬーーーーー」



晴子、慌てて止める「えっ??桜木君!!!頭突きはダメェーーーー」



桜木の動きがピタッと止まり、振り返る「晴子さん…………」



晴子、汗「さ、桜木君、、、」(何故頭突き???)




そして
「エヘヘ、全国よ、おめでとう」





しかし桜木、浮かばれない表情



晴子「ん?どうしたの?嬉しくないの??」



桜木「いや、、、」言葉に詰まる



晴子、盛り上げるように「桜木君のあの凄いシュートが決勝点よ、これで三年連続湘北はインターハイ出場よ!!!」







「・・・・」







桜木、沈黙の後「違うんです、晴子さん………」





晴子の表情も強張る「な、何が…………???」









また沈黙の後に





桜木「陵南の最後の追い上げに何も出来なかった」









晴子「そんな…………でも………」




桜木「それにシュートもたまたまです…………」







桜木「退場もしかけた、セットにも沢山やられた、最初チームもまとまっていなかった」




晴子、返す言葉がなくなる「そんなぁ…………」












そして桜木、ドーーーーーン「目標は全国制覇です」



晴子「ハッ!!!?」



桜木「今こんな戦いをしていたら次の海南、そして全国のヤマオーやメーホーにもまた負けます」



晴子、ドーーーーーン、目から鱗、胸を打たれる





桜木「そして…………」





「あのキツネもそう思っているはずです」









晴子「流川君も…………???」











桜木と晴子がいないロッカールーム




渇ーーーーー!!!



「あれで最後まで集中したのか?」


「目標は全国制覇」


「あんなプレイじゃ次の海南にすら勝てない」



声のトーンはいつもとさほど変わらないが安西と流川から交互に檄が飛ぶ



そして、流川自身もメラメラメラメラ(くそっ、あのラスト1分半は最悪だ)


外川と陵南に奇跡の追い上げを許した事で自分自身に苛立ち




天崎・荒石・須形、他部員も大きく反省


「確かに最後は完全に陵南にヤられていた」


「桜木さんが決めていなければどうなっていたか」


「流川さんがいなければ」


「今日の試合、自分が何が出来て何が出来なかったか」


「次は最強・海南戦!!!」


「三連勝で1位突破だ!!!」



安西、全員が目の輝きを取り戻したのを見てニコリッ「よろしい、では海南戦の作戦を考えましょう」



湘北メンバー「はい!!!!!」




晴子(今回は桜木君に色々教えられた)


影で見ていた桜木軍団たち「完全大人だ…………」ゴクリッ




湘北、全国出場を決めて早々


流川・桜木「勝って兜の緒を締めろーーーー」



続く